RESENT ENTRIES

TOP > もっと東儀秀樹 > ギターへの想い

et cetera

ギターへの想い

ギターが大好きである。ちょっとでも時間が空くと、あるいは手持ち無沙汰になるとすかさずギターに手が伸びる。たいがいそのとき弾くのはブルースの即興だ。
帰国子女である僕は幼少のとき、バンコクのインターナショナルの幼稚園に通っていた。ませた外国の子供の影響か、幼稚園生ながらビートルズに憧れた。親にギターをねだってウクレレを買ってもらった。調弦もされてない、弾き方すら知らない、でもからだにちょうどいいその「ぎたー」を毎日かかえて、ビートルズに自分を重ねて悦にいっていたらしい。
小学校の頃、ちゃんとギターを手にして本でコードを覚えていって、何となく弾いてきた。中学一年生のときは、メキシコに住むようになったから、メキシコならではのレキントギターという独特のギターを買ってもらい、弾きまくった。学校ではギターをはやらせ、みんなに教えた。本当は憧れていたミュージシャンたちが使っているようなオーソドックスなアコースティックギターがほしかったけれど、なにせメキシコだからと、小ぶりのレキントになってしまったのだが、これがまたとても弾きやすかったし、その個性もちょっとした自慢でもあった。(いまでも大切にしている)
高校になってやっと念願のエレキギターを手に入れた。受験に受かったら買うぞと、こつこつお小遣いをためて、そのすべてをアメリカに行くという叔父に託してGibsonのレスポールカスタムを頼んだ。アメリカならものすごく安く買えるものだと思っていていたのだ。いまでこそGibsonやFenderなどの世界のブランドのものも買いやすい値段で手に入れられるが、当時はとんでもなかった。まして高校生なんかには無理に決まっていたし、高校生がGibsonを所有するなんてこともまず有り得なかった。僕が叔父に渡した金額だって到底買えるはずもない額だったけど、アメリカなら、なんていうやみくもな脈絡もない期待で頼んでしまったのだ。もちろん叔父もギターの相場など知らない。で、その叔父が帰ってきた。なんとGibsonを持って。・・・興奮した。びっくりした。案の定お金は全然足りなかったらしいが、「いいよいいよ、これで立派な音楽家になってくれ!」と、Gibson レスポールカスタムを差し出したのだ。嬉しかった。嬉しくて誰にでも自慢したかった。でもそれができなかった。高校生としては腕には一目おかれてはいても、Gibsonを扱うほどの腕などではないことぐらいの自覚はあった。それに金銭的にも高校生には不釣り合いであることも認識していた。みんな国産のものをやっとの思いで買い、それでも最高にわくわくしているのに、自分ばかりが不釣り合いにすごいものを持っていることがなんだか恥ずかしくてしかたがなかった。だからいつも僕は自分のギターのロゴマークの上からガムテープを貼ってGibsonの文字を隠した。ギターケースに描かれた大きなロゴマークもテープで隠して持ち歩いた。それでもあるとき練習スタジオに行ったとき、そこの事務員の男に「おッ!今日はすごい音色が聞けそうだな!」なんてひやかされた。当時はGibsonともなるとGibsonでしかないケースの形が決まっていたのだ。僕が「いや、これはグレコですよー(失礼な話だがグレコは国産エレキギターの定番ブランド)」と言うと余計に、「ほう。じゃあそのグレコの音を聞かしてもらうか」とニヤニヤしていた。真っ赤になってしまった記憶がある。まあ、いつしか慣れて開き直って隠さなくなってはいたが・・・。もちろんいまでもその第一号のエレキギターは大事にしてある。それ見るたびにその頃の空気がよみがえり、ちょっとキュンとする。叔父も「秀樹君がいまの立場にいるのはあのギターも少なからず影響していると信じているんだ」と笑っている。とにかくかけがえのない一本だ。
ちなみに僕はツアーのスタッフや出演者たちと打ち上げをするとき、たくさん福引きの景品を用意するのだが、そのなかに毎回必ずギターが入っている。もしかしたら人にギターをあげたくなっちゃう要因はそんなところにあるのかもしれない。

ところで僕は時々ライブでもギターを弾くことがある。アルバムの中でも自分でギターを弾いて録音していることもあるし、たまにライブハウスでロックにかまけることもある。とはいっても通常の僕の音楽表現はギターが中心ではないし、もちろん僕はプロのギタリストではない。でも今にいたるまで、どんどんギターが増え続け、気がついたら数十本も所有しているのだ。その昔あこがれのスターたちのステージ写真を見てはわくわくしながらため息をついていた自分がそのまま引きずられていて、社会人になった今、敵を討つかのごとく当時欲しくても買えなかったモノを買ってしまうのだ。どれもいちいちこだわりや思い入れがある。そしてついにはモノ作りの職人気質というオタク的な世界にもはまり込み、自分と同い年(1959)のFender stratocasterを手に入れたり・・・と夢中度が増殖し続けるのだった。音の良さや作りの丁寧さはもちろん、自分と同じだけの年数を仕事してきたその重みも格別な共感と敬意を感じ、傷のひとつひとつや塗装のひび割れに魅力を感じてしまうのだ。

ギターコレクション

エレキギター:

Gibson ES 335 (1962)
Gibson ES 350 (1959)
Gibson LP Custom (1974)
Gibson SG Standard
Gibson Flying V
Fender Stratocaster (1956)
Fender Stratocaster (1959)
Fender Stratocaster (1963 rare color)
Fender Stratocaster (custom shop)
Fender Stratocaster (candy red)
Fender Telecaster (custom shop Paisley)
Fender Telecaster (James Barton Model Black Paisley)
Fender Telecaster (with signature of Mick Taylor)
Fender Mustang (1965 with signature of Char)
Tom Anderson

アコースティックギター:

Gibson J-45 (1955)
Gibson SJ-200
Martin D-28
Ovation ADAMAS
Selmer gipsy guitar
Rainsong carbon guitar
Requinto (made in Mexico)
ギターアンプ:

MATCHLESS DC-30
CORNEL ROMANY Plus
FENDER TWIN
ROLAND JC-120
FENDER Blues Junior